1.どこまで読めばよいかと迷っておられる方の為に 何しろ350話までありますので、途方もないと感じられる方は多いと思います。せめて、77話、つまり高校生編第1部までお読みになってみませんか?そうすれば、主人公が何故「ワル」と言われるようになったかという経緯もわかりますし、強敵達との格闘シーンも堪能できます。ここまでお読みになってみて、「刑務所に行った後はどうなるのか?」、「中高年になったらどんな感じになるのか?」、「主人公の最期はどうなるのか?」を知りたくなったら、読み続けてみればよいかと思います。私は、これらを知りたくなったので、最終話迄読み進んだわけです。
2.主人公は「ワル」といえるのか? 高校生編における主人公に対する一般的な評価は確かに不良つまりワルと呼ばれると思います。しかし、常に自身を極限状態や暴力的な雰囲気の中に置いておかないと耐えられないという症状をかかえるが故の行動のようであり、根っからの性悪ではないのではないかと感じるわけです。主人公が成人した後最期を迎えるまでの行動は果たして「ワル」といえるのだろうかと、段々と疑問に思ってしまいました。世の中が多様化して、何が正義で何が悪なのかを切り分ける基準の設定が難しくなってきていることを暗に示しているのでしょうか?
3.主人公の魅力とは? 主人公の顔を見ると、私はどうしても鼻に目線が行ってしまいます。鼻筋上部で、鼻骨と鼻軟骨上部の接合部のことをリニオンとか鼻孔点というそうですが、この部分がこれほどに膨れ上がっている顔立ちの漫画の主人公ってなかなかいないと思います。この鼻孔点の膨れが歳を取るにつれて目立たなくなっていくのが、かえって残念に感じた次第です。相貌はともかくとして、数々の女性にモテてしまい、そして圧倒的な強さをもっているわけですから、正に男冥利に尽きるキャラクター設定なのだと思います。
4.セリフの固さについて 絵柄の荒々しさに何とか馴染んだとしても、セリフの言い回しに固さを感じる方がいらっしゃるかもしれません。1970年から2004年当時の日本人はこういうしゃべり方をしていたかというと、そうでもないような気がします。原作者の独特の言い回しなのでしょうが、慣れて来ると小気味よさを感じます。いづれ昨今の作品にはないエネルギーを感じることができますよ。