すごい。良質なサスペンス映画を一本見終わった後のような満足感が得られました。1985年の作品ですから、本作は曽祢さんが中国で一人っ子政策が敷かれるのを予測して描いたのではなく、その政策(1979年から実施)や映画『赤ちゃんよ永遠に』をヒントにして描かれたものです(wikiより)。長編の曽祢作品には珍しく、3人の男の子(15歳)の友情 etc. もしっかりめに描かれています。しかもその内の1人が黒髪のくっそイケメンでとてもよろしい(そこかぃ!w)。アラビア語圏で用いられているアスランという人名は、ライオンを意味するトルコ語から輸入された外来人名で(「アルスラーン戦記」もそうですね)、作中でもライオンの比喩描写があります。そこまで調べ上げてこの作品を描かれた曽祢さん、相変わらずすっごい・・・。単行本がかなり安かった頃の値段なので、定価で買っても440円×2巻です。ぜひ。