公安刑事と政治家の愛人をやってるヤクザの若頭がバディを組む裏社会もの。BLだがHシーンはほぼなく一般誌でも掲載できそうな内容。ストーリー性がしっかりした漫画が好きならお薦め。対照的なバディ二人も素敵だし、性格は正反対でも境遇や目的の類似から絆を深めていくのが良い。絵柄はスッキリ整ってて見やすい。公安とヤクザの話なら男所帯でもおかしくないのだが、女性キャラをバランスよく出しており、しかも一人の人物として魅力的に描けているのが好感触。莉音先輩男前。獅郎が時々和製アッシュに見える。墓参りに行ったとき茂みから出てきたのなんでたぬき?ねことかじゃないの?公安局の刑事が密談に使うのが柴犬カフェ?カモフラージュにベビーカー使うってかえって目立つんじゃ……と細かいつっこみどころもあるのだが、二人が追う事件の真相が気になってグイグイ読ませる。先輩失踪の謎と一狼の両親が死んだ20年前の爆破事件にも接点がありそうで、恋愛的な進展よりむしろそっちが気になる(というか良い意味で淡白で、受け・攻めに縛られないフラットさが好きなのでこのままでも満足……)二巻まで読んだ時点では一狼と獅狼は対等なバディ関係、悪ふざけのイタズラはあれど一線はこえておらず、同居生活の中で互いの差異や共通点を理解し、認め合っていく過程を描いてる。エロや甘さを求めると物足りないが、そんなの要らないから程々にクールでコミカルな男の相棒ものが読みたい!相手の煙草に火をつけたり、嫌い合ってる相方のピンチに矢も楯もたまらず駆け付ける行間に萌えたい!という人はきっと気に入る。