派手さはないが端正な美しさを感じる佳品集。▼
以下内容には触れないつもりだが,読み方に影響を与えたくないのでできれば読後に読むことをお奨めしたい。▼
『夏の十字架』:評価の難しい作品。第三章の副題(?)が "(LOVE)" であることをどう解釈すればいいのだろうか?▼
『ちりぬるを』:「日常」を繰り返す日々を生きる意味を考えさせられる作品。▼
『カナシミ』:助ける者と助けられる者,終盤の立場の反転が鮮やか。ラストの言葉は恐らくダブル・ミーニング。▼
『はじまりの恋のはじまり』:いい話風いい話。いい。▼『honeycomb』:作者あとがきにある通り「SF(すこし不思議)」なお話。個人的には5篇の中で一番好き。でもなぜタイトルが "honeycomb" (蜂の巣) なのだろうか?