『サトコは町の子』を一通り読んだ感想は、作者の作品にしてはハートウォーミングな作品だと思う。作者の物語性というのは独特故に読み手によっては好き嫌いの差が大きいと思うが、この『サトコは町の子』は『それ』がさほど濃くない。それ故に読みやすい。俺自身もこの『サトコは町の子』は作者の作品の中では好きな作品だね。何て言ったら良いのかなぁ、読んでいて胸が暖かくなるんだよね。『サトコは町の子』は一話一話が完結だけど、戦前を題材にした話もあり、その話は読んでいて胸が暖かくなるというよりも、少し悲しく感じたね。けどね、この『サトコは町の子』は読みやすい。俺個人、作品に収録されている話で気に入った話は『とある事で』ひねくれてしまったじいさんの話と、“ひとさらい”なんだけど、実は心優しい男と少女の出会いの話だね。