ページをめくる手が止まらない。この作品に巡り会えたことにただ感謝。この『プロゴルファー』、ゴルフ漫画ではありますが根底に流れ礎になっているのは家族の絆とヒューマンドラマです。父親の過去と日本オープンの因縁エピソードは涙なくしては読めません。
それに大抵のスポーツ漫画では破天荒な主人公ばかりが目につきますが、青江は気持ちいいほどの良識人で、妻ともども応援したくなります。こんなゴルファーになりたい、こんな奥さんがほしいと思った読者も多いのでは?
内容はと言えばスイング論、技術論、ゴルフうんちくなどは少なめで、前述したようにヒューマンドラマに重きを置いているため、そんなにゴルフを知らなくても読める作品ですね。
そして登場人物の口ぐせは「たわけ」で決まりでしょう。実際にはまず言わないセリフですが。あと有本社長、岳父、田代陽子がトーナメントを「能舞台を見ているよう」と表現していたが三人が三人ともこういう感想を漏らすのは何かの因縁でしょうか……。