ケルト風神話を題材にしたのは良いが、大風呂敷を広げ過ぎて纏まりがつかなくなってしまった。ヴァイキング、神々達、人間族、魔物族、など等。ヨーロッパにはヴァイキングとケルトの神話が絡み合っている。ゲルマンやシュメール神話も含まれている。
終わりの方の3編を見てみたが抽象的で具体的な表現が無いので【ハテ?どうなっているんだ?】という感じがした。ラストだからこそ明確にしなければならないはずだが、そのことは無いことにされてしまった。
結局のところ、終わりの部分は神々同士の戦いということになっただけで、神という存在、神々の世界ははどうなったのか、人間界はどのように変化したのかが明らかにされてはいない。ユミルとかいう宇宙空間に四散した神は、全宇宙の擁護者として【見届ける】者に変化したのか?
この最後の終わり方は【百億の昼と千億の夜】の作品に似ている。
戦いに明け暮れた阿修羅は、遂に大宇宙の何者かに出会うが、その時、自分自身が【転輪王】であることに気が付くのだ。