成人向け場面が有るのでそれなり以上の年齢の方へ推奨。不思議な立ち位置の作品。一般漫画と、成人向け。その二つのジャンルの間は通常、高い垣根によって完全に仕切られている。しかしこの作品は非常に丁寧な描写を重ねる事で、ごく自然な形で両方のジャンルの融和に成功している。思えば現実の恋愛においても「肉体の性」は間違いなく重要なファクターとして機能している訳で。その意味では、恋愛描写にリアリティを求めれば避けて通れなくなる性の問題を、漫画的にはどう処理し、どう評価すべきか? その一つの指針となり得る作品のような印象が残った。また、上手い人の描く線は見ていて気持ちが良いな、と思わされた点も好印象だった。唯一、物語については物足りなかったものの、そちらは有料回に主軸が置かれているようなので先々読む機会を作ってみたい。