感想が難しいのですが、見目麗しけれど、知識の吸収や思考力に頼りないものが窺える女性について、ちょっと肯定的でない表現がなされた時代が昔はありました。
私は戦争を知る世代の大人のいた環境で育ったので、この漫画の時代背景が少しはわかります。
『あの人はいま』というタイトル通り、「あの子の未来はそうなるんだろうね」と、ごく一般的な少女の未来図とは遠く隔てられた世界と推量できる場面を散りばめ、垣間見せられた作品。
池田理代子先生の絵が可愛らしいことが救いでもある反面、このまま少女のままいられ大人になる頃に時代が変わらないものだろうかと思わせる、感じるところのある物語でした。