この作品に出合えて良かった。「シティ・ライツ・バースデイ」で本郷地下さんを知り、本作にたどり着きましたが、このテーマで描かれたBL作品は初めて見ました。しかも約5年前の作品で、しかも某サイトの2018 Best ディープ部門センシティブ系受賞作とは、いやはや時代だなぁ・・・すごい作家さんです。ヤ◯ーニュースで以前、主人公と同じ悩みを抱えた人のインタビュー「「性的指向を変えたい」29歳男性が見た深い断絶」を読みましたが、大変苦労されているようでした。本作の設定とは少し違ってて、わかりやすく言うなら彼にふさわしいパートナーは「工事を望まないトランスジェンダーMtF」もしくは「顔つきが女性にしか見えない女顔のゲイ」、「男の娘」でした。私のようなノンケ(=ヘテロ)の腐おねぃさまがたにわかりやすく言い換えて説明するなら、今まで好きになった男性全員の体(だけ)がもし女性のものだったら、と想像してみてください。主人公やインタビューの男性と同じように相当悩まれると思います。そしてもしある日目の前に、頭のてっぺんからつま先まで理想の人物が現れたら・・・?本作のその相手は男女両方からモテる描写があるので、設定とつじつまが合うように考えるなら若干女性顔なのでしょう。芸能人の不倫が大バッシングを受ける昨今の日本ですから(ちなみにドイツでは同じような芸能人の不倫が発覚しても、芸能活動には全く影響ないそうです。日本特有の風潮かもしれませんね。)、みなさんが本作を受け入れられるかどうかは、彼女持ちである主人公の浮気をどこまで受け入れられるかにかかっていると思います。非常に珍しい設定のBLなので、ぜひ多めの試し読み(常に48ページもあります)から始めてみてはいかがでしょうか。「商業特典まとめ本に収録した描き下ろし漫画」(22ページ、165円)にえいちな番外編が載ってます!ちなみに実際のゲイ風俗でも、プロフに「女装可」と書いたほうが多く稼げるとどこかで読みました。多数派ではないにしろ、需要があるということですよね。もちぎさんのエッセイ漫画だった気がします(別作品だったらごめんなさい)。←ご興味ある方はスキマでも読めますのでぜひ。あっ、本作はいわゆる「女装系BL」ではないのでご安心を(高給バイトにつられて仕方なく、という描写はあります)。