始めは奇人変人集う下宿のドタバタギャグかと思っていました。
でもこれは、ヒロインである管理人の次女はじめ、住人みんなの壮大な成長物語だったのですね。
特に、儚げだった末娘が自我に目覚め、逞しくなっていくのには驚かされました!
みんなが取り繕うことなく本音で恋に悩み、打ち明け合い、ぶつかり合い、お節介を焼いたり嫉妬に苦しんだり、言い争っては泣いたり怒ったり…。
毒親の顔色を伺ってばかりで、学校では「陰キャ」だったわたしには羨ましいくらいの希林館での暮らし。
今よりもずっと人との触れ合い(諍いなどのマイナス面も併せて)が濃密だった昭和の頃。
この頃に青春を過ごし、この作品をリアルタイムで読めた人たちが羨ましい!