手塚治虫氏がBL本を出していた、なんてご存じの方はかなり少ないのでは?たしかに「同性愛を話の主軸に置いた作品ではない」ので ちる2では非BLタグが付いてますが、れっきとした男性同士の愛が、これでもかとしっかり描かれています。この時代(70年代)で同性愛をホ◯だオカ◯だなどと(どちらも差別用語です。みなさん使わないで。)バカにせずにここまで、つまり性"嗜好"でなく性"指向"なんだ、と(←ここ間違えてる方はたくさんいらっしゃいます。BL作家さんですらも。)その本質を理解し、なおかつ真面目にしっかり描いた作家ってなかなかいないですよね。私は詳しくないので70年代限定だと「風と木の詩」ぐらいしか知りませんが、いてもかなりの少数派だと思います。さすが手塚氏です。玉木宏と山田孝之主演で映画化もしましたけど全くの別物で、スポンサーから同性愛描写NGが出たばかりでなく、設定もストーリーも改悪で非常に納得いきませんでした。
手塚作品で本作が一番好きだ、と公言するには憚られるような、エロくてグロくてダークな内容です。最初読んだ時は怖くて眠れませんでした。それぐらいラストが衝撃的だった。気になった方はとにかく読んでみてください。オススメです。