こんな面白い素晴らしい作品が埋もれてるなんてもったいない、信じられない、業界の損失!
上の賛辞はけっして大袈裟ではないと読んだ人ならきっとわかってくれる。
西部開拓時代のアメリカ、とある目的を胸に秘め放浪を続ける孤独なインディアン・レッド。
彼は日本から来た武士のイエローや元娼婦のアンジ―という心強い仲間を得て旅を続けるが……
村枝賢一が魂のすべてを叩き込んだといっても過言じゃない熱が迸る作品。
銃が炸裂し弾丸飛び交う戦闘シーンは泥臭いまでに荒々しい絵柄で迫力満点、ひりつくような生(き)の激情が伝わってくる。
容赦なく人が死ぬへヴィでハードな内容、残虐な描写もありながらそれでも括目して読ませ続ける底力がある。
キャラクターも文句なく魅力的、脇役端役に至るまで一人として無個性で印象の薄い人物がいない。
ともすれば情緒不安定に陥りがちなレッドを支える義理堅く友情に厚い好漢イエロー、さばさばした姉御肌のアンジ―、のちに仲間になる大佐……
復讐の縦軸はそのままに、レッドを中心にした様々な人々の思惑が横軸となり、熾烈な運命を紡ぎだす様は群像劇の趣をも呈する。
仲間は勿論悪役の濃ゆさには特筆すべきものがあり。
テレンスのあっぱれなまでの小悪党ぶり、ブルーの不気味すぎる存在感が印象に残る。
面白いマンガをお探しの方はぜひ!損はさせません。