松本零士氏の戦争作品が名作たる所以は憧憬無き反戦メッセージが根底にある為だ。反戦を唱えるは易しだが戦争といううねりに抗うは一個人はあまりに無力である。戦争とは努力する程に人権人命が毀損される愚行だと氏は描く。また戦場における理想とは狂気と化すと美化する事無く語る。氏の御父上は陸軍航空隊のパイロットだった。戦後御父上が非難される経験(主に戦死した部下の家族)は氏には辛い思い出だった(出典NHK)。本作は氏の「戦場まんがシリーズ」単行本を基本とし文庫版に改定・再編集し改題した作品であり続編たる「ケースハード」シリーズが収録されている。内3篇は1993年にOVA化され1978年にはニッポン放送より5篇がラジオドラマとして配信された。