試読可能な1巻のみ読了。或いはAに、或いはBにと、部分部分だけを見ればあちこち他の作品に似てる。けれどもそれは欠点になり得ない。なぜなら表現を盗んでいるのではなく、過去の名作と同じ立場になるまで考え抜いて描かれている、と分かるからだ。「自分の肉体を、意識の中でどう位置付けるべきか?」身体の内側も、外側も不安定な年ごろの中でこの問題と向き合う姿を描こうとする時、その慎重な製作姿勢は正しく、実際に見事な効果をあげていたと思う。加えて言えば、作者さんは読み手の人へ、愛情と、気持ち悪さと、その両方の気持ちを主人公に感じて欲しいんじゃないかな、という気も少しだけした。