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『ホモホモ7 完全版』のレビュー

みなもと太郎先生の作品中で、特に重要な一作。映画などのパロディを土台に、ナンセンス系コントと物語性、シリアス劇画調と落書きヘタウマ調など、本来なら相反するはずの要素を唸るほどの手際でまとめている。またギャグや物語を作り出す概念がアイコン化の上で効果的に整理されているため、本来なら古びたはずの内容もかなり鮮度を残せている。もちろん結局はナンセンスなギャグ漫画に過ぎないが、それでも"時代"を語る際にその名を挙げたいほど魅力を秘めた、文字通りの「佳作」であると自分には思える。
2022年1月6日
まず、作品のタイトルからにして「『ホモホモ7』って…(-_-;)。何なんだよ、このタイトルは…(-_-;)?」と思ってしまう(笑)。ヘタしたら「この作品、ヤオイ系なの?」と思われてしまい兼ねないね(笑)。物語はアクション系だけど、そのタイトル通り、(良い意味で)ふざけた感じだね。いや、ふざけた感じしゃなくて、おもちゃ箱をひっくり返したような感じだね(笑)。物語の中で(主に)主人公の顔が色んなキャラの顔に変わることがあり、この点も面白いね。他は、作者が“少女漫画を描いていた人”ということもあって、敵や味方を含む女性キャラが綺麗で可愛さがある。今みたいな“萌え系”でないけど、シンプルな美しさと可愛さなんだよね。俺はこの人の作品は『ホモホモ7』以外に読んでいるけど、この『ホモホモ7』は作者の作品の中では、ドタバタコメディーだね(笑)。
2021年9月9日
1970年の作品。劇画のモチーフと(当時の)青年漫画の奔放な表現とを一緒くたにして少年マンガ誌「週刊少年マガジン」に持ち込んだ、ギャグマンガの歴史の指標的な作品……という予備知識がないと読み通すのは辛いかもしれない。 (「超人ヒッチ」って本当にやってたんだなあ) 今読んでも呆気に取られるばかりだが、当時の編集者もそうとう狼狽えさせられたらしく、わりとどうでもいいようなチェックがあちこちに入っているらしい(作者と大塚英志氏との共著『まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史』に拠れば)。 ※こちらの作品には作者からの聞き書きが掲載されています。>https://www.sukima.me/book/title/BT0000298068/
2018年12月27日
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