は*****さんのレビュー
モンキーピーク
面白かったです。謎が謎を呼ぶサスペンスでした。レクリエーションで参加したため山に慣れていない人々、次々殺される仲間、迫りくる殺人猿、険しい山、水も食料もなくどんどん追い詰められていく中、仲間内での殺人、仲間の中に猿を手引きしている者が…と息つく暇ない展開です。完結しているので一気に完走できて清々しい気分です。 個人的に安斎さんをジェネリック花山薫で応援していたのでちょっと泣きそうです。
2020年7月2日
122
覚悟のススメ
また読みたいなと思っていたらキャンペーンで見つけて嬉しい。三巻も無料で読めるなんて。 何年たっても忘れられない最高の作品。 しょっぱなから世紀末でインパクト大ですがこれは序の口。すごいことにこのインパクトが終わりまでずっと続くのです。エログロなのにポップで皆前向きだから暗くならずに楽しめます。そして主人公の研ぎ澄まされた武士道精神と極限まで鍛えられた肉体の美しさは芸術そのもの。その彼が痛めつけられるたびに背徳感も味わえます。 また、絵が鬼のように上手いので主役以外でもおぞましいから美しいまでキャラクターが生き生きとしていて目が離せない。見どころ“強化外骨格”の一目惚れせんばかりにかっこいい装備をはじめ、敵の殆ど裸だけれどハードな衣装も凝っていて細部まで楽しめます。 そして読み終わった後の達成感と言ったら!よい夢が見られます。初めて読んだのは初版の17年前くらいになりますが、今でも思い出して満足感に浸るくらいです。 面白いのが見たい方や、スカッとしたいなという方にこそお勧めしたいです。
2020年6月26日
85
青野くんに触りたいから死にたい
オカルトホラー好き必見です!! 紙の本で見ていたのでこちらでも見られて嬉しいというか飛び跳ねました。 想いが通じ合った途端事故死してしまう青野くん。でもゆりにだけ見える幽霊として現れる。どうにか触れ合おうと必死なのが可哀想で可愛くて、申し訳ないけど滑稽でおかしくて、応援せずにいられません。でもこのがむしゃらな二人の想いが二人の距離以外のものも近づけてしまう…。 この可愛らしい絵柄からほのぼのストーリーかと思いきや、じわじわと迫りくる恐怖…。気が付いた時にはもう作者の手中です。おぞましく美しい、青春ホラーを代表する作品になること間違いなし。これからの季節にもぴったりです。
2020年6月26日
59
イチケイのカラス
ずっと心に残っている素敵な作品です。数ある刑事裁判物の中でも、“人”を見つめる真摯で温かいお話です。 私はサスペンスやミステリーが好きで法廷物もたくさん見てきました。ただ、多くは正義や勝敗に重きが置かれ、工程の一つとしてばかり見ていました。 しかし日本でも裁判の増加や陪審員制度の導入されるなど、身近になりつつも、どんなところなのか調べることもありませんでした。 本作はその基本から丁寧に教えてくれます。 罪を裁くのは法ですが、それを訴え・見極め・判断を下すのは人間だということを、穏やかに教えてくれます。決して押しつけがましくなくかつ説教臭くないのですんなり入り込めました。 個性豊かな登場人物たちがまた愛おしく、この人たちのように真摯に自分の事件について考えてくれたらこんなに幸せなことはないだろうと思います。 もっと読みたかったのに完結してしまったのが残念です。これからこのお話を益々必要とする人があると思います。復活を願っています。
2020年6月25日
85
金の釦 銀の襟 -パレス・メイヂ側聞-
大好きな作品です。一瞬BLかと思いましたが、ほのぼの青春ものでした。表紙の瑞々しさに惹かれて手に取りましたが、その期待通り全編爽やかで気持ちの良い作品です。凸凹コンビが好きにはたまらない品行方正な皇太子とちょっとがさつで行動力の塊な主人公が周囲を巻き込んで友情を育んでいくのを微笑ましく楽しませてもらいました。 重圧を背負う立場の人でも、安らぎを得られる場所があるといいなと思わされます。 こちらを読んでから、本編『パレスメイヂ』の存在を知りました。こちらも私は大好きです。もっと、まだまだ読みたいシリーズです。
2020年6月25日
32
トレース 科捜研法医研究員の追想
ネタばれは殆どありませんが、ファンや初見の方が不快に思われる内容だと思いますのでマスキングします。 すみません、私には全く刺さりませんでした。絵はうまいと思いますがそれだけで躍動感を感じず、登場人物も独善的(「俺が裁く」とは何様なのか…)な主人公をはじめとする誰一人共感できないキャラクターばかり。 また科学捜査というジャンルのため説明が多くなるのは仕方がないですが、画面が常にごちゃごちゃしていて疲れるため、早い段階から流し読みしてしまいました。女性への性的被害が続くのもげんなりしました。 試し読みできたのでまとめ買いして後悔するのが避けられてよかったです。
ネタバレを含みます
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2020年6月24日
3
ハピネス
ある日唐突に人ならざる者にさせられた主人公。視力が異常に良くなったことによる夜空の表現がゴッホの絵画のように美しいのですがとても禍々しく、彼らの行く末を暗示しているように感じてしまいます。けれども悪いことばかりではなく、いじめまでいかずともいじられていた一部クラスメイトとの和解もあり少しほっとします。しかし変化した体も異形も、過去のしがらみも彼らに優しくはなかった…。 テーマなどは映画『ぼくのエリ』を想起させる場面があったりと真新しくはないのですが、絵・ストーリー共に確かな実力を持つ作者の手腕にあっという間に引きずり込まれます。 急激な運命の濁流に飲み込まれつつある彼らに、幸せな未来がどうか待っていますようにと祈らずにいられません。
2020年6月24日
115
C.M.B.森羅博物館の事件目録
Q.E.D iffが面白かったので同じ作者さんのこの作品も読み始めました。こちらの方が先に描かれたのですね。この頃から作風は安定していて、ストーリーも絵も安心して楽しめました。建物や風景が素晴らしく魅力的なのも変わらず、特に主人公の博物館は木登りしないと出入りできない秘密基地のようでわくわくします。また、この主人公二人のキャラクターも魅力的です。実は頭脳優秀なのにそれをひけらかさず天真爛漫な森羅、お嬢様という猫をかぶって学生生活を送っているが実家は銭湯のチャキチャキ下町の姉御肌・七瀬。森羅が託された三つの指輪をめぐる謎も深まり、読めば読むほど面白くなります。読み進めるのがわくわくして楽しい、こんな素敵なお話に巡り合えてとても嬉しいです。
2020年6月23日
55
Q.E.D.iff ―証明終了―
おもしろい!さっぱりした画風とストーリーで取っつきやすく、すぐお話に惹き込まれてサクサク進めました。自己顕示欲の強い主要人物や大袈裟な表現がないのもストレスなく楽しめた要因だと思います。また、主人公の家や事件現場、街並みや風景などが大変素敵で次はどんな所なのかととても楽しみです。
2020年6月21日
75
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