この作品、エルフやオークが出て来るからジャンルがファンタジーなのはわかるし、俺、この作品を読んだ当初は「お、この作品コテコテのファンタジーものだな」と思ったね。けど、話が進むに連れて話がめっちゃシリアスな展開に突入。俺個人の意見だけど、この作品は物語の進むに連れて面白くなるんだよ。というのも、世界を闇に陥れようとする輩が現れてから世界中では人々が互いに殺し合う訳。もうね、人々が凶暴化して他人を襲う描写は映画『クレイジーズ』の感染者みたいだし、人々が武器を持って略奪をする描写は小山ゆうの『愛が行く』みたいだね。それと、この作品、俺は上記に「コテコテのファンタジーもの」と載せたけど、だからといって侮ったらいかん。この作品は人間が抱える歪な面をさらけ出した作品であって、人間社会への風刺を描き、地球を汚せば汚すほど人間が手前らの手で滅ぶのは時間の問題、というのは訴えている訳だよ。うん、何か重い作品なんだよな。『妖魔の騎士』は、さ。