唯登詩樹先生のことを、SF方面から評価する声はたしかに聞いていた。今回その評価をやっと実感できたけれど、なるほど、これは分かり難い。普通なら物語やキャラに力を注ぐところを、三点パースの多用によって舞台に実感を与え、更にはガジェットに人間並みの重要さを持たせシンボル化することでその使用にインパクトを与え、読み手の感覚的リアリティーを強化する。そうした稀有な方法で作品の質を高めていたからだ。普通そんな荒業できないよ。あとパパと部下たちがコメット号の人とか、色々オマージュ有るみたいだけど分かんないよ(汗。最終話のモブ宇宙船のように、良デザインを惜し気もなく無駄使いする贅沢も含め、本当に生き生きとした物語空間を楽しませてもらいました。