表紙のエルフさんが、あまりに酷い目に遭わされたところから始まる物語。序盤の状態はあまりに酷い。シャレにならない。一人の人間(人物)をこんな目に合わせた相手に思わず吐き気や怒りを感じる。だからこそ、薬売りさんの献身的な看病には本当に力を入れて応援してしまうのだが…。読み始めた時は、今風のグラマーなエルフに疑問を持ったものの、そんなこと途中でどうでもよくなる。ひどい目にあわされた人が苦痛から解放され、悲しみの償われることの方が重要だからだ。こうした作品を読むと、フィクションかノンフィクションかに関係なく、当たり前の幸せを感じられる人が一人でも多くなって欲しいとどうしても願わざるを得ない。