「かぐや様は告らせたいの石上が主人公で、ヒロイン相手にテンパるラブコメ」
他の漫画を引き合いに出すのはよくないが、要約するとそんな感じ。
学園カースト頂点の同級生を殺害を妄想してほくそ笑む、と書くとヤバいが、京太郎はホントいい奴。
山田だけでなく、しばしばムカツク同級生を惨殺する妄想に教室の片隅でクックックッと浸っているのだが、ヒロインが零した水を拭いてやったり、ヒロインを助ける為犠牲にした自転車に詫びたり、それでいてちょっと優しくされただけで「はわわわ」とテンパる、こんな純情でアホかわいい生き物応援したくならないわけない。
陰キャ・コミュ障・ぼっちの三重苦で、教室でも浮いており、「異世界に転生した主人公が触るもの全て殺す異能に覚醒」なんて書いてもないなろう系小説の妄想をシコシコ練るのは痛いが、こんなヤツクラスに絶対一人はいるし、もっと言ってしまえばお前らそうだったよな??安心しろ自分もだ。
そんな抹殺したい黒歴史を抉られる痛痒さと、絶妙な甘酸っぱさに盛大にニヤニヤする。山田を見立てたイラストを書いたノートの切れ端を渡すとか、出てくるエピソードがいちいち青春すぎて……
砂糖と塩にねるねるねるねをぶちこんだような読後感。
ヒロインの山田は完璧な美少女に見えて抜けており、天然な言動が憎めない。
休み時間にパーティーサイズのお菓子を馬鹿食いしねるねるねるねを作り出す行動のフリーダムさが好感触。
下ネタ大好きな後ろの席のバカ男子など、「あーいたいたこういうヤツ」というキャラクター性が非常にリアル。
作者のマンガは「みつどもえ」から愛読してるが、登場人物が高校生になったのもあって、下ネタも進化してる(好きな体位を炙り出す心理テストとか)その割に直接的で下品な描写が減り読みやすい。
山田と京太郎の縮まりそうで縮まらない距離感にもだもだする!