これ、好きだわ。なのに終わり? これで終わり??
女性誌的なキャラ造形とストーリーで、青年誌というか麻雀雑誌系の、正道ではない生き方をする人々の話。
女性誌を好む人からは好かれなそうだし、青年誌を読む人には物足りない印象はあるけれど、登場人物の大半は性根が良い人なので安心して読める。
その辺り、ハナちゃん言うところの「愛されて育った子は強い」んだと思う。正確には「愛されている実感を持って育った子は」だと思うけど。
だからこそ、陸は海の愛情を実感してきているし、白水さんとの交流で得てきたものもあるだろうから、暗いけど真っ当なんだろうし、海は陸の愛情ですら不安に感じる程に人間不信で愛情を理解していないから閉じこもるんだろうな。
海は多分、ハナちゃん達と出会ったことで、少しずつ変われるだろうから、そこを見たかった。そして、開眼して雀荘で鬼神のように打ち、勝つ海が見たかった。
キーちゃんとハナちゃんについては、何となくの仄めかしがあったからあれでも満足だけど、樹くんのエピソードが知りたかったなぁ。
しかしこれ、皆が自立できればできるようになる程、裏社会に足を突っ込んで行く話でもあると思うので、このくらいでの終了の方が良かったのか、という気もしないでもない……。