試読期間中に1巻のみ読了。こういう事は言いたくないのだけど、題材以外は素晴らしい作品。キャラクター、物語展開、ゴツゴツした表現、突き抜けた明るさ…。若干の読み難ささえ、読み手の中でリアリティへ変換される種類のインパクトを表出する材料へと落とし込んでいて参ってしまう。なのに作者さんの、B級映画への愛が強すぎてあちこちで思わず吹き出さざるを得ない。おまけに裏側を含めてこその「映画文化」を題材にしてしまったせいで、面白さの核となる部分が逆に"分かる人には分かる"感じの作品になってしまったように思えて、そこだけが悔しいぐらいに惜しい(でも断じて言う、この作品に限れば"漫画としての"分かり難さもやっぱり映画への"愛"なんだよ!)。先の展開は分からないながら、それぐらい"素"と"演技"と"狂気"と"ファンタジー"の豪快な混在に魅了された作品と思う。