漫画の神様!天才!偉業!(もしくはマンガに対してかなり嫉妬深くたまにムチャなこともする)という面がクローズアップされがちな手塚治虫という人の人物像を一気にひっくり返す良著。ハチマキ巻いて机にベタッとくっついて編集者の取り立てから逃げたりしながらマンガ描く手塚治虫先生とか他に見ませんからね!まんが道や愛しりでの穏やかで後輩に優しい手塚治虫先生を知ってるとマジかよという気持ちになります。半分極道まがいのとんでもない編集者がワラワラ出てくるのもそういう時代だったのだなあと思うことにするけど今の時代では無理だろうなという(かなりオブラートに包んでいます)。吉本先生の独特な絵柄なのでなお迫力が増すこと増すこと。一読の価値あり。当たり前のようだけど、手塚治虫先生や藤子不二雄先生にも打ち切りの経験もあるしなかなか結果が結びつかない時期もあったんだよなあと気付かされる。