『くたばれ！！涙くん』のレビュー
なんだこのラスト…。
説得力が（；；）
2020年8月28日
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5
1960年代末の、熱い時代の息吹を感じさせる青春の物語。サッカーを題材にしているが、サッカーの世界そのものを描く単純な勝利や友情物語ではなく、サッカーにおいて運命的な出会いをし、愛の犠牲で終わるという人生ドラマという点で、同時代にも類稀な作品となっている。特に後半、互いに想いあいながら、お互いを名前で呼び交わすことすらできない二人の純愛の切なさが胸を打つ。その細やかな心理描写と葛藤と勝利への執念が相まって、サッカーにおける設定の不自然さをも超えて、石井いさみの中期の代表作となった。なお、この作品は連載初期に原作若林一郎とクレジットされていたが、いつのまにか消えて、むしろ梶原一騎の影響も感じられる。また、連載当時はチャミーの死因は被爆二世として骨髄性白血病とされていたが、その後の時代の要請で変更されている。他にも戦争の名残や貧しさ、女性の自立の困難さ、その中で懸命に生きる人々の群像を生き生きと描いて、今なお心に残る作品である。
2020年7月27日
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49
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