『勝手にセレモニー』のレビュー
高橋由佳利先生の初めての長編。なので物語の流れや人物描写など、まだあちこちに弱さは残る。けれども画面にただよう、先生独特のシャイな明るさ…とでも言うべき不思議な感覚は、以前の短編作品と比べていっそう強く感じられる。それに浦川まさる先生(高橋先生のチーフアシだったそう)らの名がさりげなく有ったり、昔の少女漫画によく見られたローマ字のメッセージも賑やか。おかげで読書中は、主人公たち少女の集う「海猫寮」の名に恥じない快活さと、懐かしい空気感。それらを十分感じとることが出来た。
2023年3月7日
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