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『ラブレター』のレビュー

未婚の母のネグレクトで死んだ男の子が幸せだったのか?世間的には不幸で可哀想でしかない。でも彼は違うという、彼女の子どもで幸せだったと。彼女が作ってくれた目玉焼きをフォークでぐちゃぐちゃにして、「仕方ないなあ」とあーんしてもらうのが大好きだったと。虐待の話はいくらでも悲惨に描ける。敢えてそれをせず、短いページ数の中にドラマを凝縮する。麻子が妊娠・出産、やがて悲劇に至るまでがフラットに描写される。「あのまま大人になったら僕はいつか彼女を憎むようになったかもしれません。でも僕は子供のまま死んだんです。だからそんなこと考えませんでした」確かに綺麗ごとかもしれない。都合がいいかもしれない。でも本当にそう思ってないなんてどうしてわかる?何かで聞いたことがある、赤ん坊や幼すぎて死んだ子供の霊は憎しみや恨みの感情がよくわからないからこの世に留まらないと。どうしようもなかったことを違う角度から照らしだす、こういうアプローチでしか至れない救いがある。
2020年5月8日
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