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『数学しかできない息子が早慶国立大学に合格した話。(分冊版)』のレビュー

「天才を産みたい」などの親の願望は枝葉末節に過ぎない。話の主題でもないし、導入においてこの種の過激な語りが(多くの場合後先考えることなく)挿入されることは日常茶飯事である。 しかし、内容に関して言及すれば、「佐藤ママ」から連綿と続く子育て物語の亜種以上の価値を持ち合わせることは難しいであろう。コミカル調であることは本書の個性であるかもしれないが、(受験を主題には据えていないが)「あたしンち」などの存在を考えれば残念ながら吹けば飛ぶようなものである。 ところで、このような話に出てくる「数学だけができる人間」はとても人生が生きにくいものであるように思う。数学の問題の解法はあるレベル以上の問題では「見える」ものなのであり、ここの子どものような人たちは日頃の努力によって「見る」力を獲得しているが、実はその力は彼ら以外の人間も徐々に獲得していくものなのである。ここでは小四で微積分を解いているわりに、大学受験では次第に回りに追いつかれつつある様子が察することができるので薄ら寒い。 次第に「凡人」となっていくことには気づかない方がよいものである。ただ、この子どもは恐らく(特に物事の枝葉末節にこだわるところが)研究者には向いているのでアカデミアで暮らしていくのであろう。他人は経験する必要のない「凡人」を自覚するという体験を天才の中の天才以外の「天才」はしなければならないのが苦難となるだろうが(それをこの主人公がしないに越したことはないが、世界を視野に入れると9割方すると考えるのが現実的であろう)。 いずれにせよ、子どもは人間というだけで尊重されていてほしいものである。
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2021年5月17日
「天才を育てる」ことを人生の目標にし、そのために結婚相手を決めるのは愚か。せめて、子が、東大理Ⅲに入るか、フィールズ賞レベルの数学の国際的賞をもらえば報われるでしょうね。
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2021年5月16日
いろんな意味で……驚いたかなぁ。
2021年5月13日
天才を産みたいとか見合う遺伝子を見つけるとか発想が苦手。フェミじゃないけど自分は好きになれない作品。
2021年5月10日
暗に息子さんを非難しててドン引きしました。
2021年5月10日
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