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『ロボット59』のレビュー

大人になると、自分の感覚を頼りに子供向け物語を描くことは難しくなる。それでもこの作品を読めば、小澤先生は本当に子供心へ配慮される方だと思わされる。SF考証こそ弱いものの、厳しい描写も「争いとは悲しいもの」と的確に描かれており、困難を乗り越えて活躍する59(ゴクー)たちの旅を最終回まで楽しむことが出来た。一転して♯16から併録された[太平洋のサメ]は、非常に重み有る秀作。あくまで大人向しか求めない人であれ、その内容には唸らされるだろう。
2022年3月7日
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