『お姫様クラブ』のレビュー
偶然今日まで曽祢作品が大量に半額になっていると知り（スキマさん、曽祢さん作品一覧のページ（サムネ一覧画面）で本作と迷宮の少女以外がきちんと割引ピンク表示されてないですよ・・・）、大急ぎでクリックしました。短編4作が収録されていて、①表題作 ②未来を喰う妖怪 ③戦争について ④ヴァイオリン奏者が田舎で体験した不思議な話、です。個人的には①の歳を取らない不思議なセールスマンがカッコよくて好みです（そこかぃ！）。呪いシリーズ大好きなので、こういうイケメンスーツキャラもっとカモン！なんですが、なかなか出ませんねぇ。真面目な話、内容は、いくら年相応に～とか言われても、やはり好きな物を否定されたくはないよね、というグッとくるものです。②はその呪いシリーズや闇の王子シリーズに設定が少し似てると言えば似てるんですが、今までにない流れで「うわ、そうきたか！」でした。どんだけ引き出しあるんですか曽祢さん・・・。そして③はもう・・・すごかったです。構成段階でかなり苦労されたそうで、読み応えたっぷりで読んでて大変ドキドキハラハラしました。いろんなキャラの言葉が心に染みて、ちょうどかなりタイムリーな話題（戦争）ですし、その教訓が胸にズン、ときます。④はミュージシャンあるあるな設定なので、非常に感情移入できましたし、こんなことまで分かってらっしゃるなんて、やはりすごい作家さんだなと唸らされました。終盤の、人には良い面も悪い面もあるという教訓もジーンときます。すばらしい短編集でした。ほぼ全話無料の短編集（「わたしが消える時」「鬼が来る」）がそこまで好きになれなかったので今回購入を迷いましたが、本当に買って良かった！以上、本作はネット上にあまりレビューがないようなので、ぜひ参考になさってください。★は再読するにはちょっとエネルギーが要る重い話もあるため、実質4.5です。
2022年11月6日
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