『曽祢まさこ初期傑作集 手錠はおどる』のレビュー
2014年電子書籍版発行ですが、実際の発表は⑨以外全部70年代前半なので、さすがにこれは絵柄が古すぎて買わないかな、と思ってたけどやっぱり曽祢ブランドですよね~、抗えなかったw 全て曽祢さんお得意の洋モノ、計9作品の短編が収録されています。ぶっちゃけ⑧以外の主人公全員が犯罪者ですw とにかく服飾がレトロ可愛い、パンタロン大好き。①②表題作。飼い猫と意思疎通ができる(つまり魔女宅っぽくもある)ボーイッシュな女の子が無双する怪盗ミミシリーズ。刑事が黒髪短髪イケメンでレビュー主歓喜しとります。③④表紙の作品(つまり表紙はタイトルだけが①なんです。ややこしいw)殺し屋ピーターシリーズ。⑤兄弟が主人公の西部劇で、ハリウッド映画「三人の名付け親」の翻案もの。コミカル作かと思ったら、これはかなりせつない・・・タヒネタ含みますのでご注意を。⑥これが一番好き。パンツスタイルを貫くロン毛女の子の怪盗コメディ。ファッションがかなり好き。⑦サーカスにまつわるコメディ。⑧だけがシリアス路線で、なんと双子の百合です。⑨は巻末のおまけ4コマで、③④のピーター(作者の初期お気に入りNo.1)が1999年の絵柄で描かれてるうえに、なんとあのイアモン(バラしょってる殺し屋)と闇の王子、オルティス王子がゲスト出演ーーー!!!これはほんっとーーーに嬉しかった!あとやっぱり90年代の絵柄がイイ!イケメンがまぢイケメンなので本っ当~~に買って良かったです。動物もたくさん出てくるし、「不思議の国の千一夜」を思わせるような、曽祢さんのコミカルな作風が存分に生かされた良作でした。作画が安定しない箇所もありますが、中の絵柄(特に②以降)は表紙よりももっと可愛いのでご安心を。①以外は「不思議~」より少し前の絵柄(=「不思議~」の3巻末に収録された「アルンハイム恋の大混線」ぐらい)です。ていうか①もミュシャっぽくて、これはこれで新たな魅力を発見できて良かったです。思わぬ棚ボタで私的にはかなりのお得作品でした。660円でたっぷり267ページもあるので曽祢ファンならぜひ。
ネタバレを含みます
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2024年6月16日
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