スキマ スキマ - 無料漫画を読んでポイ活!現金・電子マネーに交換も!

エデンの星 (
[完結]全2話
全巻誰でも無料
)

エデンの星

エデンの星

[完結]全2話
全巻誰でも無料
(0)
fav
4
最終更新:2023年11月01日
はじめに…  この作品は実際にあった事実をベースに作られたものである。  この恐ろしい話と出会ったのはかれこれ30年以上昔の話。 その頃はまだデビュー前の私は、本屋や図書館に通っては様々なネタを探していた。 そんな中、ふと何かの本で目にしたエピソードがこの話の根底にある。  それは第二次世界大戦中、旧ソ連で起こった実際の悲劇。ドイツ軍によってソ連兵7名が捕虜となり、国境近くの小さな教会の地下室で丸裸の状態で閉じ込められた。そして、約2カ月がたった頃、ようやく戦争は終結に向かい、捕虜となった7名の内、2名が仲間のソ連軍によって救出され【奇跡的】に生還した―、という物語である。  【奇跡的】にという言葉はある種、とても便利な言葉だ。しかし、そこに想像が介入することで物語は途端に現実性をおび、醜怪さや悍ましさ、狂気や悲憤、そして絶望などが一気に表面化する。彼らは60日にも及ぶ監禁生活の中、いったいどのようにして生き伸びてきたのか。このテーマは若かった私にはあまりにも重いテーマだった。いったんはネーム(漫画を作る上での設計図のようなもの)を起こしてみたがそれはただ単に事実をトレースしただけのもので、命の尊厳も何もないただのコマの羅列でしかなく、とても作品と呼べるような代物ではなかった。  それから10年ほどした頃だろうか。私はその頃細々とやっていた連載も打ち切りになり、生活のために、知り合いの漫画家のところでアシスタントをしたり、短編漫画を描いたり、小さなカットを描いたりして、なんとか糊口をしのいでいた。この先の漫画家人生に不安を思いつつ、持ち込み用作品を描くためネタ帳を漁っていた時、この漫画のプロットが目にとまった。 その頃、デビューして10年も過ぎた私には、カニバリズムを含む作品が如何に掲載が難しいか、商業ベースで使えないジャンルであるなど、十分にわかってもいたが、気が付いたときには夢中でこの作品を描いていた。  今振り返ると、キャラクターの絵柄をアニメ風にしてみたり、グロい表現をベタ(黒)で潰してみたりと、それなりに配慮をしているのがわかる。こうしてようやく完成した作品だったが、予想通り、どこの出版社に持ち込んでも、口をそろえたかのようにすべて拒絶された。  当たり前といえば当たり前の結果だった。  そしてこの作品は封印され、押し入れの奥で眠ることとなった。  その後、友人の漫画家からあのエピソードを基にした戯曲があると聞き、バリーコリンズの「審判」を探し出し夢中になって読んだ。 またその戯曲が一人芝居にもなっていると聞いて、それも見に行った。 バリーコリンズの戯曲は一人芝居という切り口で、生き残った最後の一人が主人公として法廷で告白し、その事件を淡々と語っていくという手法で、それは私にとって大変衝撃的だった。  一人芝居という発想は漫画には無い。(もちろん別格的に優れた一人キャラの作品もあるが)基本的に物語をキャラクターと絵で見せていく手法と、言葉による力で想像を喚起させる手法とではまったく真逆のものであるからだ。 そして、同じテーマを扱っても、戯曲や芝居では世に出せる物語も漫画の世界ではタブー視されることもまた真逆だと感じたし、それに対する憤りも感じた。  ともかく、私の「エデンの星」はその後も眠り続け、気が付けば描き上げてから四半世紀が過ぎようとしていた。  今現在、漫画家たちは、出版社の型から飛び出しはじめ、自ら作品を直接読者へ発表できる時代になった。 今回長い、監禁生活を強いられてきた、拙作「エデンの星」がようやく押し入れの暗闇から光のある世界へ踏み出し、読者の皆様に読んでいただけることを本当にうれしく、感謝の思いしかない。  主人公の「ヒロ」は作中でも閉じ込められ、そして現実世界でも閉じ込められ続けた私の漫画の中ではもっとも可哀そうな主人公であり、私が最も思い入れのある主人公かもしれません。  最後に、最後まで読んでくださった皆様に心からの御礼を申し上げます。 佐佐木あつし
最終更新:2023年11月01日
はじめに…  この作品は実際にあった事実をベースに作られたものである。  この恐ろしい話と出会ったのはかれこれ30年以上昔の話。 その頃はまだデビュー前の私は、本屋や図書館に通っては様々なネタを探していた。 そんな中、ふと何かの本で目にしたエピソードがこの話の根底にある。  それは第二次世界大戦中、旧ソ連で起こった実際の悲劇。ドイツ軍によってソ連兵7名が捕虜となり、国境近くの小さな教会の地下室で丸裸の状態で閉じ込められた。そして、約2カ月がたった頃、ようやく戦争は終結に向かい、捕虜となった7名の内、2名が仲間のソ連軍によって救出され【奇跡的】に生還した―、という物語である。  【奇跡的】にという言葉はある種、とても便利な言葉だ。しかし、そこに想像が介入することで物語は途端に現実性をおび、醜怪さや悍ましさ、狂気や悲憤、そして絶望などが一気に表面化する。彼らは60日にも及ぶ監禁生活の中、いったいどのようにして生き伸びてきたのか。このテーマは若かった私にはあまりにも重いテーマだった。いったんはネーム(漫画を作る上での設計図のようなもの)を起こしてみたがそれはただ単に事実をトレースしただけのもので、命の尊厳も何もないただのコマの羅列でしかなく、とても作品と呼べるような代物ではなかった。  それから10年ほどした頃だろうか。私はその頃細々とやっていた連載も打ち切りになり、生活のために、知り合いの漫画家のところでアシスタントをしたり、短編漫画を描いたり、小さなカットを描いたりして、なんとか糊口をしのいでいた。この先の漫画家人生に不安を思いつつ、持ち込み用作品を描くためネタ帳を漁っていた時、この漫画のプロットが目にとまった。 その頃、デビューして10年も過ぎた私には、カニバリズムを含む作品が如何に掲載が難しいか、商業ベースで使えないジャンルであるなど、十分にわかってもいたが、気が付いたときには夢中でこの作品を描いていた。  今振り返ると、キャラクターの絵柄をアニメ風にしてみたり、グロい表現をベタ(黒)で潰してみたりと、それなりに配慮をしているのがわかる。こうしてようやく完成した作品だったが、予想通り、どこの出版社に持ち込んでも、口をそろえたかのようにすべて拒絶された。  当たり前といえば当たり前の結果だった。  そしてこの作品は封印され、押し入れの奥で眠ることとなった。  その後、友人の漫画家からあのエピソードを基にした戯曲があると聞き、バリーコリンズの「審判」を探し出し夢中になって読んだ。 またその戯曲が一人芝居にもなっていると聞いて、それも見に行った。 バリーコリンズの戯曲は一人芝居という切り口で、生き残った最後の一人が主人公として法廷で告白し、その事件を淡々と語っていくという手法で、それは私にとって大変衝撃的だった。  一人芝居という発想は漫画には無い。(もちろん別格的に優れた一人キャラの作品もあるが)基本的に物語をキャラクターと絵で見せていく手法と、言葉による力で想像を喚起させる手法とではまったく真逆のものであるからだ。 そして、同じテーマを扱っても、戯曲や芝居では世に出せる物語も漫画の世界ではタブー視されることもまた真逆だと感じたし、それに対する憤りも感じた。  ともかく、私の「エデンの星」はその後も眠り続け、気が付けば描き上げてから四半世紀が過ぎようとしていた。  今現在、漫画家たちは、出版社の型から飛び出しはじめ、自ら作品を直接読者へ発表できる時代になった。 今回長い、監禁生活を強いられてきた、拙作「エデンの星」がようやく押し入れの暗闇から光のある世界へ踏み出し、読者の皆様に読んでいただけることを本当にうれしく、感謝の思いしかない。  主人公の「ヒロ」は作中でも閉じ込められ、そして現実世界でも閉じ込められ続けた私の漫画の中ではもっとも可哀そうな主人公であり、私が最も思い入れのある主人公かもしれません。  最後に、最後まで読んでくださった皆様に心からの御礼を申し上げます。 佐佐木あつし
エデンの星

エデンの星

[完結]全2話
全巻誰でも無料
(0)
fav
4
最終更新:2023年11月01日
はじめに…  この作品は実際にあった事実をベースに作られたものである。  この恐ろしい話と出会ったのはかれこれ30年以上昔の話。 その頃はまだデビュー前の私は、本屋や図書館に通っては様々なネタを探していた。 そんな中、ふと何かの本で目にしたエピソードがこの話の根底にある。  それは第二次世界大戦中、旧ソ連で起こった実際の悲劇。ドイツ軍によってソ連兵7名が捕虜となり、国境近くの小さな教会の地下室で丸裸の状態で閉じ込められた。そして、約2カ月がたった頃、ようやく戦争は終結に向かい、捕虜となった7名の内、2名が仲間のソ連軍によって救出され【奇跡的】に生還した―、という物語である。  【奇跡的】にという言葉はある種、とても便利な言葉だ。しかし、そこに想像が介入することで物語は途端に現実性をおび、醜怪さや悍ましさ、狂気や悲憤、そして絶望などが一気に表面化する。彼らは60日にも及ぶ監禁生活の中、いったいどのようにして生き伸びてきたのか。このテーマは若かった私にはあまりにも重いテーマだった。いったんはネーム(漫画を作る上での設計図のようなもの)を起こしてみたがそれはただ単に事実をトレースしただけのもので、命の尊厳も何もないただのコマの羅列でしかなく、とても作品と呼べるような代物ではなかった。  それから10年ほどした頃だろうか。私はその頃細々とやっていた連載も打ち切りになり、生活のために、知り合いの漫画家のところでアシスタントをしたり、短編漫画を描いたり、小さなカットを描いたりして、なんとか糊口をしのいでいた。この先の漫画家人生に不安を思いつつ、持ち込み用作品を描くためネタ帳を漁っていた時、この漫画のプロットが目にとまった。 その頃、デビューして10年も過ぎた私には、カニバリズムを含む作品が如何に掲載が難しいか、商業ベースで使えないジャンルであるなど、十分にわかってもいたが、気が付いたときには夢中でこの作品を描いていた。  今振り返ると、キャラクターの絵柄をアニメ風にしてみたり、グロい表現をベタ(黒)で潰してみたりと、それなりに配慮をしているのがわかる。こうしてようやく完成した作品だったが、予想通り、どこの出版社に持ち込んでも、口をそろえたかのようにすべて拒絶された。  当たり前といえば当たり前の結果だった。  そしてこの作品は封印され、押し入れの奥で眠ることとなった。  その後、友人の漫画家からあのエピソードを基にした戯曲があると聞き、バリーコリンズの「審判」を探し出し夢中になって読んだ。 またその戯曲が一人芝居にもなっていると聞いて、それも見に行った。 バリーコリンズの戯曲は一人芝居という切り口で、生き残った最後の一人が主人公として法廷で告白し、その事件を淡々と語っていくという手法で、それは私にとって大変衝撃的だった。  一人芝居という発想は漫画には無い。(もちろん別格的に優れた一人キャラの作品もあるが)基本的に物語をキャラクターと絵で見せていく手法と、言葉による力で想像を喚起させる手法とではまったく真逆のものであるからだ。 そして、同じテーマを扱っても、戯曲や芝居では世に出せる物語も漫画の世界ではタブー視されることもまた真逆だと感じたし、それに対する憤りも感じた。  ともかく、私の「エデンの星」はその後も眠り続け、気が付けば描き上げてから四半世紀が過ぎようとしていた。  今現在、漫画家たちは、出版社の型から飛び出しはじめ、自ら作品を直接読者へ発表できる時代になった。 今回長い、監禁生活を強いられてきた、拙作「エデンの星」がようやく押し入れの暗闇から光のある世界へ踏み出し、読者の皆様に読んでいただけることを本当にうれしく、感謝の思いしかない。  主人公の「ヒロ」は作中でも閉じ込められ、そして現実世界でも閉じ込められ続けた私の漫画の中ではもっとも可哀そうな主人公であり、私が最も思い入れのある主人公かもしれません。  最後に、最後まで読んでくださった皆様に心からの御礼を申し上げます。 佐佐木あつし
最終更新:2023年11月01日
はじめに…  この作品は実際にあった事実をベースに作られたものである。  この恐ろしい話と出会ったのはかれこれ30年以上昔の話。 その頃はまだデビュー前の私は、本屋や図書館に通っては様々なネタを探していた。 そんな中、ふと何かの本で目にしたエピソードがこの話の根底にある。  それは第二次世界大戦中、旧ソ連で起こった実際の悲劇。ドイツ軍によってソ連兵7名が捕虜となり、国境近くの小さな教会の地下室で丸裸の状態で閉じ込められた。そして、約2カ月がたった頃、ようやく戦争は終結に向かい、捕虜となった7名の内、2名が仲間のソ連軍によって救出され【奇跡的】に生還した―、という物語である。  【奇跡的】にという言葉はある種、とても便利な言葉だ。しかし、そこに想像が介入することで物語は途端に現実性をおび、醜怪さや悍ましさ、狂気や悲憤、そして絶望などが一気に表面化する。彼らは60日にも及ぶ監禁生活の中、いったいどのようにして生き伸びてきたのか。このテーマは若かった私にはあまりにも重いテーマだった。いったんはネーム(漫画を作る上での設計図のようなもの)を起こしてみたがそれはただ単に事実をトレースしただけのもので、命の尊厳も何もないただのコマの羅列でしかなく、とても作品と呼べるような代物ではなかった。  それから10年ほどした頃だろうか。私はその頃細々とやっていた連載も打ち切りになり、生活のために、知り合いの漫画家のところでアシスタントをしたり、短編漫画を描いたり、小さなカットを描いたりして、なんとか糊口をしのいでいた。この先の漫画家人生に不安を思いつつ、持ち込み用作品を描くためネタ帳を漁っていた時、この漫画のプロットが目にとまった。 その頃、デビューして10年も過ぎた私には、カニバリズムを含む作品が如何に掲載が難しいか、商業ベースで使えないジャンルであるなど、十分にわかってもいたが、気が付いたときには夢中でこの作品を描いていた。  今振り返ると、キャラクターの絵柄をアニメ風にしてみたり、グロい表現をベタ(黒)で潰してみたりと、それなりに配慮をしているのがわかる。こうしてようやく完成した作品だったが、予想通り、どこの出版社に持ち込んでも、口をそろえたかのようにすべて拒絶された。  当たり前といえば当たり前の結果だった。  そしてこの作品は封印され、押し入れの奥で眠ることとなった。  その後、友人の漫画家からあのエピソードを基にした戯曲があると聞き、バリーコリンズの「審判」を探し出し夢中になって読んだ。 またその戯曲が一人芝居にもなっていると聞いて、それも見に行った。 バリーコリンズの戯曲は一人芝居という切り口で、生き残った最後の一人が主人公として法廷で告白し、その事件を淡々と語っていくという手法で、それは私にとって大変衝撃的だった。  一人芝居という発想は漫画には無い。(もちろん別格的に優れた一人キャラの作品もあるが)基本的に物語をキャラクターと絵で見せていく手法と、言葉による力で想像を喚起させる手法とではまったく真逆のものであるからだ。 そして、同じテーマを扱っても、戯曲や芝居では世に出せる物語も漫画の世界ではタブー視されることもまた真逆だと感じたし、それに対する憤りも感じた。  ともかく、私の「エデンの星」はその後も眠り続け、気が付けば描き上げてから四半世紀が過ぎようとしていた。  今現在、漫画家たちは、出版社の型から飛び出しはじめ、自ら作品を直接読者へ発表できる時代になった。 今回長い、監禁生活を強いられてきた、拙作「エデンの星」がようやく押し入れの暗闇から光のある世界へ踏み出し、読者の皆様に読んでいただけることを本当にうれしく、感謝の思いしかない。  主人公の「ヒロ」は作中でも閉じ込められ、そして現実世界でも閉じ込められ続けた私の漫画の中ではもっとも可哀そうな主人公であり、私が最も思い入れのある主人公かもしれません。  最後に、最後まで読んでくださった皆様に心からの御礼を申し上げます。 佐佐木あつし

みんなのレビュー
レビューする

この作品にはまだコメントがありません。
最初のコメントを書いてみませんか?
write-review

第1巻

第1巻

みんなのレビュー
レビューする

この作品にはまだコメントがありません。
最初のコメントを書いてみませんか?
write-review

佐佐木あつしの人気作品

激打ちラッシュ
1-9巻配信中
激打ちラッシュ
соняшник~向日葵~
全巻無料(2話)
соняшник~向日葵~
ゲビゲビ
1-2巻配信中
ゲビゲビ
ランドセルン
1-7巻配信中
ランドセルン

エートゥシー・プロダクションの人気作品

山月記
1巻配信中
山月記
蒼眸のバラード
1-4巻配信中
蒼眸のバラード
蒼眸のバラード 第二部◆野望編
1-4巻配信中
蒼眸のバラード 第二部◆野望編
ぶん太無双
1-5巻配信中
ぶん太無双
ビーマイファミリー  里親と里子絆と愛の物語
1-2巻配信中
ビーマイファミリー 里親と里子絆と愛の物語
トンちゃんのパチスロ4号機 万枚への覇道
1-3巻配信中
トンちゃんのパチスロ4号機 万枚への覇道

この漫画を読んだ方へのオススメ漫画

静かなるドン
1-414話無料
静かなるドン
妻の知らない夫の素顔
待つと無料
妻の知らない夫の素顔
無料漫画:家族対抗殺戮合戦
1-45話無料
家族対抗殺戮合戦
ナンバMG5
1-18巻配信中
ナンバMG5
無料漫画:ペスト
1-30話無料
ペスト
私たち家族に必要な時間
1-25話無料
私たち家族に必要な時間
無料漫画:ありがとう、過ち。
1-23話無料
ありがとう、過ち。
無料漫画:「子供を殺してください」という親たち
1-104話無料
「子供を殺してください」という親たち
無料漫画:でっちあげ
1-23話無料
でっちあげ
無料漫画:爪痕―それでも結婚、続けますか?―
1-33話無料
爪痕―それでも結婚、続けますか?―
原作版 左ききのエレン
1-259話無料
原作版 左ききのエレン
無料漫画:将太の寿司
1-189話無料
将太の寿司