つまらなくはないだろうけど地味な絵だな…という印象、読むとやはり堅実ながら地味なお話。
投げ出すほどつまらなくもないしというくらいの気持ちで読んでいましたが、店主渡仏のあたりでやられた、と思いました。
過剰な演出をしないため、いろいろと物事が起こっても印象としては地味です。冒頭からぐっと引きつけられて目を離せないというタイプの物語ではありません。読んでいて情緒が乱れたりもしません。
ですが淡々と暮らす作中人物の日々がいつの間にか寄り添ってくるような作品だと思います。本当に昔こんな人たちが居たような気持ちにさせてくれる、そういうお話です。
嫌な人物が居ないのも読んでいてほっとします。
作者による1ページ解説もとても楽しい。ニュクスのブローチ、見てみたかったですね。