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『事故物件芸人のお部屋いって視るんです!(分冊版)』のレビュー

「事故物件 怖い間取り」既読なら必読。あちらで書かれた孔子・菊姫・みゆき・板碑の由来、カメラに映った謎の老人の正体が全部説明される。特に菊姫&孔子の職人が判明するエピソードは感動。水子の霊も成長する、写真に紛れ込むのは撮影者に縁のある霊とか、目から鱗の情報が盛り沢山。言われてみれば、幽霊がカメラ目線なら撮影者に伝えたいメッセージがあるって事だよな。最初はテンションが高すぎて微妙だったが、慣れてくると面白おかしく脚色された幽霊との掛け合いが楽しくなる。明るい幽霊もいるんだなあ……しかし自分が死んだことに気付いてないのに部屋にいる誰とも知れない他人を起こすって矛盾してない?ホラーが苦手なホラー漫画家が描いてるので、死体描写はグロい。腐乱死体や縊死体に蛆虫がたかってる。霊能者の育代さんは「霊能者と事故物件視てきました」にも出てくる育代さんで相変わらずのタロット無双。テニプリの不二好きなオタクだったなんて……タニシ氏の著書を読んでいると、「これ〇〇で出たトコだ!」な予習済み感が凄い。しかもそっちではうやむやにされた顛末が育代さんの霊視で補填され、ミステリーのような展開になる。ギャグの入ったホラー漫画にあらず、ホラーが入ったギャグ漫画。一番ぞっとしたのはタニシ氏の友人宅のカメラに映った老人の正体……え、ちょ、知りたくなかったんだけどその事実……やめてよ一番怖いわ……。
2020年5月8日
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