『pupa 新装版』のレビュー
好き嫌いはわかれるが妙な中毒性がある。
いちばん好きなキャラは鬼島四郎。主人公の現をバイオレンスに虐待するクソ親父なのだが、外道すぎてたまらない。
彼を叩いてる人をたまに見かけるが、この作品を描く上で欠くことできない人物であり、作者がそういう役割を持たせたキャラとして描いてるので自分は不快感がない。四郎の現に対する歪んだ愛情表現、虐待連鎖の因果に焦点に当てるとやりきれない。
もっとも、説明不足の感は否めない。
現の記憶では子供を捨て男と駆け落ちした母が精神病院に入院してたり、序盤に出てきた現や夢のクラスメイトは特に本筋に絡まずフェードアウトしたり、作者の嗜好(=描きたいもの)が先行して所々構成が破綻してる。
絵柄もデフォルメタッチで可愛いのだが、線が歪んで雑に見える。
ラストの畳み方はぶっ飛びすぎて賛否両論だが、読んで損したとは思わなかった。
2020年5月6日
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