マ*****さんのレビュー
鬼灯の聲~昭和連続射殺事件~
永山則夫を元ネタにした不謹慎エンタメ。内容は「とにかく悲惨な事を描けば面白くなるだろう」という安易な物で、ネームも演出も凡庸で特筆する所はない。
2022年12月10日
4
麻雀放浪記 凌ぎの哲
原作の空気の再現度、解釈、アレンジ、全てにおいて最高レベルと言って良い。作画と演出のレベルも圧倒的で、麻雀放浪記のコミカライズではこれ以上の作品は無いと断言できる。
ただし、何故か出版社が最後まで単行本を出していないので最後まで読めない。
2022年10月15日
0
新訳罪と罰
漫画家には演出力、脚本力、構成力等の色々な能力があるが、柳沢きみおは脚本力の極一部分だけで稼いできたタイプ。
下手な絵、グダグダなご都合主義のストーリー、作者の知性が感じられない軽薄なキャラクター、聞きかじりの知識を味付けに使う、大して大きくもない風呂敷を畳めずに突然終わる、というような漫画ばかりだが、それなりに面白くて読んでしまうジャンクフードのような売れる商品を生む一種の奇才である。
だが、これは作者の強みを出せる部分に介入の余地が少なく、駄目な部分ばかり目立ってしまう最悪な企画。
滲み出る「浅さ」や「安さ」や「軽薄さ」を逆に武器にできるケレンな漫画で勝負してきた作者がこういう物に手を出してはいけない。
2022年8月27日
12
パリピ孔明
1話冒頭で諸葛亮が「願わくば次の人生は命のやり取りの無い平和な時代に生まれたい」と思いながら死ぬ。
この描写の時点で諸葛亮を"昔の中国のなんか頭いい凄いオッサン"として雑なキャラクターで消費する漫画なんだと察した。
少しでも諸葛亮を知った上で敬意があればできない描写である。
「そういうのどうでもいいッス。興味ないんで。なんか中国の頭いいオッサンで扇子からビーム出すんでしょ(笑」という人なら楽しめると思う。
2022年5月30日
3
Deep Love[REAL]
ケータイ小説家とこしばてつやがコンビを組んだ作品。内容は中高生の妄想のようなスカスカドラマで、こしばてつやも演出や作画が上手い漫画家ではない。ジャンクな読み捨てエンタメ漫画。
2021年4月27日
7
戦国猿廻し 信長・秀吉と蜂須賀小六
珍しい切り口の怪作。久保田千太郎が監修なのだろうが、演出上の都合ではない単純に間違えた出鱈目な描写が散見され、小六を有能に描く為の秀吉の描写も雑で、作画もダメになってからのさいとうたかを作品のようである。しかし、小六、家康、光秀等のキャラクターの目新しさ、やまさき十三のネーム力で馬鹿馬鹿しいやり取りの中に生まれる妙な味等、楽しめる部分が勝っている。バックに電車が通ってしまう時代劇のように、最初からジャンクな物として肩の力を抜いて楽しんだ方が良い。
2020年4月27日
4
烈拳 GYM Part2
漫画家の評価は一般的には表現力と話作りの二つを取り上げられる事が多く、谷口ジロー等の繊細作風の作家は表現力が特に評価され、柳沢きみおは話作りの一点のみで売れっ子になった作家だ。とにかく絵が下手で、ここぞというシーンにページを割かずにさっと流してしまう、所謂「事象だけで読ませる漫画」だが、その雑さが上手くハマってふと手を止めてしまうようなページもあったりする。前作の一話ラストも今作のラストもテキストであらすじを書いて済ませる手抜きの見本だが、なんだかんだでどんどんページをめくらせる実力がある。面白いのに勿体ないと思う反面、これがこの作者には合ってるとも感じさせる。
2019年12月29日
11
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