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岡*****さんのレビュー

三匹
おもしろい。ベースはチャンバラ時代劇ふうの話だが、作中、カタカナ語や歌手の名前をもじったキャラ名などが次々出てくる自由奔放ぶりが痛快。それでいて、義理と人情、涙と笑い、剣の技が毎回きっちり光るところに昔ながらの時代ものドラマへのリスペクトを感じる。「三匹」のキャラもそれぞれ立っている。読む価値ありの快作。
2022年1月3日
とある結婚
なにげなく読み始めたのですがとてもよかった。過剰にドラマティックなところがなく、キャラクターの感情や日常生活をリアルに、ていねいに描いていると思います。もし自分が、彼女たちや彼ら(同性カップル)の友人だったら?同僚だったら?家族だったら?ということについて、改めて考えるきっかけになりました。
2021年7月19日
MAKOTO 完全版
偏見や先入観に基づく他人の「ありきたり」な思考を超える、人間の純粋さや善良さを一貫して描いているところ、しかもそれを、敢えて(と、個人的には思った)一話完結型の「ありきたり」な物語のなかでやってのけるところに凄みを感じる。人間を類型的にとらえず、こまやかに、かつ幅広くあらわすのが郷田マモラ作品の魅力あふれる独自性だと思う。
2021年7月11日
復刻版 怪談人間時計
ジャンルとしては「ホラー漫画」にあたるのだろうが、物語や画力で恐怖をあらわす正統派のホラーとはまるで異なる。寝苦しい夜に見た悪夢をそのまま一気に紙に描きつけたような不条理感とアンダーグラウンド感がたまらない。読み手のあらゆる感覚を破壊してくるような絵柄も凄まじく、狂気を帯びた何者かの襲来から必死で自分の精神を守るような思いで読んでいた。そんな漫画なのに、いちど読み始めると最後まで読み通さずにいられなくなってしまう。その強烈な引力こそが、この作家とこの作品のいちばん恐ろしいところかもしれない。
2021年7月11日
銀座女帝伝説 順子
とくに恋愛面のスキャンダラスな部分を強烈に、ドラマティックに描いているため「人生の真実が赤裸々に語られている」といった印象を受ける作品かもしれません。ただ、それは、実在の人々にとって決定的に不利になる話題を隠すための、ある種のテクニックなのだろうと思います。しかしそう考えながら読んでも、まだ戦後まもない時代に、女ひとりで生きるため、ネオンの世界に身を投じた女性たちに圧倒されました。主人公が勤めたクラブの先輩ホステスたちが、華やかな姿で働きながら、じつは深い事情や複雑な感情を秘めていたことがわかる場面では、自然と涙がこぼれてきたほどです。そんな女性たちが物語のなかにいるから、全体として美しすぎるにしても、素直にひとつの作品として味わいたい漫画です。
2021年7月9日
ウルトラ兄弟物語
SNSで話題になった「酒におぼれる新マン」のエピソードなどから、シリアスを装った不条理ギャグ的な印象をもってしまう漫画。しかし新マンが酒びたりになる経緯もそうですが、名もなきウルトラの戦士たちが戦いのなかで次々に命を落とすなど、この漫画では「死」が頻発します。戦いがおこればバタバタと人が絶命するのです。そこに注目して読むと、昭和の時代、戦争や公害で多くの人が亡くなってきたことが連想され、思いがけずやや厳粛な気持ちになる作品でもあります。
2021年6月12日
あいまいなかたちをした3つの小品
郷田マモラの漫画はときどき強引なところもあるんだけど、必ず心に響くものがあるし、切なくなるくらい綺麗だと思うところもある。この短編集にはそんな郷田ワールドが凝縮されてるように感じます。
2021年5月30日
書店員 波山個間子
本が好きな、というか、本とともに生きている、という感じの主人公・波山さんがいい。気取らず、知識をひけらかすこともない。ただ本と書店員の仕事に対する愛着がシンプルに伝わってきて、そういう自然なところにとても惹かれます。読んだことがない本は読んでみたくなるし、読んだことがある本もまた読み返したくなる漫画です。続編希望。
2021年5月30日
ひらけ駒!
主人公は将棋好きの少年・宝くんとそのお母さんなのですが、6巻からの女流棋士たちの闘いが壮絶で熱いです。女性漫画家ならではの視点で、勝負に挑む女性たちの生活や心理も含めて丁寧に描かれているので、思わず感情移入。とくに63話の、ある女流棋士とアマチュア男性棋士との対話の場面。感動必至です。
2021年5月25日
幾百星霜
連載されていたころ、雑誌でいちどだけ読んだことがあった作品。独特の線や雰囲気に目を惹きつけられるところはありましたが、当時はもっと暗く、深刻な話なのかと思っていました。が、ここで読みはじめて、登場人物それぞれの「おかわいらしさ」に驚き、清々しくもあたたかい気持ちになりました。「ちょっと昔」の描写もレトロ好きにはたまりません。この漫画に限らずですが、雁須磨子作品では、人のダメなところを描いて終わりにせず、美点をていねいに描き込んでキャラクターの多面性が表現されているのが素敵だと思います。
2021年5月23日
POP LIFE
南Q太の漫画は、尖ってて痛くて荒々しくこちらの心をつかむ作風のイメージが強かった。それが徐々に、心のつかみ方がやわらかくあたたかくしっかりした感じの作品が増えてきた気がする。この作品は後者。小さな失望や失敗や挫折の積み重ねで人間関係に疲れていたけど、読後、あきらめずに前向きになれそうな気がした。
2021年5月21日
エリコの失敗日記
自分も「メンヘラ、デブ、ニート」だった時期がある。そのことを思い出しながら読んだ。ドラマティックな漫画ではない。しかしだからこそ、当事者の問題や心を病むことのつらさが伝わってくる。そして描いた人の誠実さや、描かずにいられなかった気持ちも、伝わってくる気がする。
2021年5月17日
その男,甘党につき
最近気になる漫画家、えすとえむ。こんな漫画も描いていたんだ、と思って読みました。外見は渋い男前、好みは超がつくほど甘党の弁護士、ジャン=ルイが素敵!恋愛や、日常のセクシーな瞬間を甘いものと絡めて描く物語は、決して奇抜なものではないかもしれませんが、そのぶん美しさと艶かしさ、描き手の観察眼の鋭さが際立って感じられます。ショコラが食べたい。
2021年5月14日
志乃ちゃんは自分の名前が言えない【分冊版】
暴力性や攻撃性をはらんだ表現に覆われていて、読む人を選ぶ作品ではあるが、なんらかの劣等感を抱える人や抱えていた人すべてに、いちど読んでほしい。最終話のラストに、登場人物とともに読者であるこちらもまた救われた気がした。
2021年5月8日
伝説 トキワ荘の真実
たしかにまったくワケがわからない。「トキワ荘」関連のエピソードは、「COM」や「ガロ」からのオールド漫画ファンならすでに知っているようなことばかりだし。ただ、多くのパロディ作品を生み出してきた作者ならではの「どうしても描かずにいられなかった」という情熱と、若き日々への愛着だけは伝わってくる。
2021年4月20日
つげ忠男昭和選集
兄のつげ義春がしばしばどこか浮世離れした、夢のような作品を描くのに対し、つげ忠男はテッテ的に、ハードボイルドな現実を生きる庶民の世界を追求している感じ。読むとなぜか「生きよう」という気持ちになれます。
2021年3月28日
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