す*****さんのレビュー
ローティーンブルース
「まいっちんぐマチコ先生」のような軽〜くてちょっとエッチなコメディがずっと続くのかと思ったら大間違い❗️
とってもハードで熱い少年少女たちの生き様と、その中で巻き起こるハリケーンのような、これまた熱量オーバーのロマンスが描かれています。
主人公「吾妻真吾」は、始めはただのヤンチャな悪ガキですが、生まれ落ちた家庭環境にまつわるあまりにも重い数々の試練と、命懸けの恋を経験し、若干14歳のローティーンにして見事な「漢」に成長していきます。
そして、悪と不正にまみれた連中も、真吾とその仲間たちの体と命を張った活躍を通じて、人としての良心に目覚めていきますが、そこに至るまでの伏線の張り方の見事なこと❗️
また、ヒロインの一人の一条先生は言わずもがな、愛する人々を静かに見守り、悪人には容赦ない凄みを見せる元ヤクザの源さん、黒服の鉄さん、気風のいい姉御肌の千葉先生、口やかましくも愛情いっぱいに真吾を支える老家政婦の清さん、そして終盤に現れる弁護士さんと、大人たちも魅力的な人が多く出てきます。
子供の味方になって正しく、時には厳しく導いてくれる頼もしい大人の存在がこの作品に深みを与えています。
1970年代に長く連載されていたそうですが、当時は性描写や暴力シーンが過激すぎて問題になったなんて信じられない❗️ストーリーの展開上、どうしても避けて通れない要素であることは読めばよくわかるはずですし、むしろよくここまで切り込んでくれた、と快哉を上げたくなる、これからを生きる令和の青少年にも必読の名作だと思います。
素晴らしい作品を完全無料で読ませていただいてありがとう❗️
2022年3月12日
11
嫁と姑デラックス【アンソロジー版】
第22話。ページ数の都合だったのかもしれないけれど、もう一捻り欲しかった!
結末を殺人にしたければドロドロ展開に。さつきの夫と多恵が不倫に陥るのは必須。
「ねえ、こんな小店での貧乏生活、もうやめない?私と一緒に一山当ててこの街を出ましょうよ。」なんてね。
さつきが救われる展開ならば、多恵の自家製化粧品が薬事法違反で摘発されて、芋づる式にハピットの一件が全て明らかになるのが良い。→私個人としてはこっちの方がいいかなあ。
2022年1月14日
1
The かぼちゃワイン
子供の頃に見ていたアニメも面白かったけれど、初めて読んだこの原作も面白かったです。ずいぶん長く連載されていたのですね。小柄でケンカが強く硬派を自認する男の子と、菩薩を思わせる優しさ(無償の愛!)とふくよかさを持ち、どこまでも明るく、健康的なお色気いっぱいの大柄な女の子の組み合わせが楽しく、二人をめぐる人々も皆温かく、おっかない先生や不良でさえもどこかお間抜けで、本当の悪人がいないのがなんともいえず良いです。
そして、時々出てくるLGBTの人物も、過剰にキワモノ扱いされていないのが昭和の作品としては画期的だと思いました。
古き良き時代の少年向けのラブコメを、肩の力を抜いて楽しく読ませていただきました。
続編もあるそうですが、大人になって携帯を持って社会の現実に揉まれる二人を見るのは、私としてはちょっと遠慮したい感じです。青春(子供時代でもある)真っ只中の、現実離れした学園ものだからこそ面白さが活きると思っていますので。
そういえば今日は冬至!「かぼちゃ」を美味しく食べながら、もう少しこの余韻にひたるといたしましょう!
2020年12月21日
115
永遠の夜に向かって…【分冊版】
ラストシーン近くで発せられる「ある言葉」は、決していつもの当たり前のものではありません。どんなに重い意味を持つかをこの作品で体験して下さい!
私の心はこの言葉によって清められ、気づいたら涙があふれていました。
今生きているこの時を、そして周囲の人々を大切にしましょう!
ちなみに時代と地域は違いますが、この「ある言葉」の一部がタイトルに使われていて、80年代には映画にもなっている井上光晴の小説もおすすめですよ。
2020年12月16日
37
悲しみは歌わない
まさに「大映」的ジェットコースタードラマ!
「70年代当時の女の子たち」を「ハメる」要素をこれでもかと詰め込みすぎ(褒め言葉です)!
幼き日のトラウマ、記憶喪失、古い洋館によくある自殺からの開かずの間、刃傷沙汰、レイプ(未遂)、車椅子の甘やかされ放題のわがままな美少女、妖艶で嫉妬深い女のあからさまな嫌がらせとけたたましい高笑い!
まだまだ幼いはずの高校生とは思えない二人の、「嵐が丘」のキャサリンとヒースクリフのような激愛ぶり!→そのまま勢いで結婚したら直後に冷めるのではないかと、老婆心ながら心配なくらい(笑。
主役の二人がそのつもりはなくとも、芸能界の裏に身を置き女を知り尽くした海千山千の大人の男と、彼を独占しようとする悪魔のような美熟女(不良を雇ったりとやることはみみっちい)を巻き込み、皆それぞれが本気で大真面目に泣き、叫び、狂い、あてもなくさまよう愛憎劇!
これぞ昭和テイストの王道!息をもつかせぬ展開に酔いました。
2020年12月16日
95
希林館通り
始めは奇人変人集う下宿のドタバタギャグかと思っていました。
でもこれは、ヒロインである管理人の次女はじめ、住人みんなの壮大な成長物語だったのですね。
特に、儚げだった末娘が自我に目覚め、逞しくなっていくのには驚かされました!
みんなが取り繕うことなく本音で恋に悩み、打ち明け合い、ぶつかり合い、お節介を焼いたり嫉妬に苦しんだり、言い争っては泣いたり怒ったり…。
毒親の顔色を伺ってばかりで、学校では「陰キャ」だったわたしには羨ましいくらいの希林館での暮らし。
今よりもずっと人との触れ合い(諍いなどのマイナス面も併せて)が濃密だった昭和の頃。
この頃に青春を過ごし、この作品をリアルタイムで読めた人たちが羨ましい!
2020年10月22日
111
命けずりぶし
幼い初恋。死病を抱えて刹那的に生きようとする美少年。彼を献身的に愛する、明るく健康美にあふれたヒロイン。これでつまらないわけがない!また、脇役たちの魅力的なこと!ついやけになって無鉄砲なことをする千秋を、綺麗事なしに厳しくもガッチリ受け止める空手部の赤尾の、一見いい加減なようで実は友情に篤い漢っぷり。夫を早くに亡くしながらも明るく愛情深く、やや子供っぽくて桂子とは友達のような母の君江。周囲に心を閉ざし、千秋と体操部のコーチへの屈折した思いを一人で抱え込む畑中の、年齢にそぐわない暗くミステリアスな美しさ。みんなが命をけずるように全力で生きている。そして、深い慟哭の闇に一筋の光が射すような結末。「命けずりぶし」というタイトルのなんという秀逸さよ!ダジャレと侮るなかれ。ぜひ一読を!
2020年5月24日
3
さぼてんとマシュマロ
古き良き時代のラブコメ。
おっちょこちょいで猪突猛進なヒロインがかわいい!
少女漫画でマスコミ業界ものは当時珍しかったかも。
そして終盤では、この頃はまだまだ庶民には遠かった、憧れのハワイでの出来事にときめきました!
2020年5月24日
3
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