h*****さんのレビュー
介護小学生[分冊版]
介護の大変さだけでなく家族のつながりが良く伝わります。
他人の目を気にしないお母さんが素晴らしい
友人のことを教えてくれたお父さんが頼もしい
子どもたちの面倒をみてくれたおじさんが優しい
家族をうまくまとめてくれた妹さんが愛らしい
2018年12月10日
65
KOUSHOKU ダンディ
柳沢きみお先生の作品はいつも楽しく読ませていただいています。
主人公は最初に結論を言うので、ずいぶん過激な極論だと思っていましたが生物学的にみた人類(ヒト)の歴史からの性別の役割分担や、死を直視することで生きる意味を見出す(仏教)、人間は本能で動いてしまう(食欲と性欲)ことなど物事の肝心な点をコミカルに描いています。
とかく読者は対応策(ハウツー)を求めてしまいますが、作者は人間は色と欲で行動しているから、そこを無視して格好つけても意味がないこと、むしろ周りに気づかって生きる現代日本人をネタにしているだけです。
上から目線だなぁと思いますが、むしろ残酷なまでの人間の格差を無視しないで描き続けた大作家から生きづらさを感じる現代人への応援歌です。
2018年12月9日
35
特攻の島
戦争で死ぬことに疑問を持っていた私たちと同じ普通の少年が先輩同僚の特攻死と空襲による一家全滅を目の当たりにして、回天に乗って死ぬことに生きる意味を見出してしまう。
回天で特攻死するという生きてきた意味を完遂するために、全滅する危険を冒してまで主人公を救出し、再度回天に乗せる艦長と乗組員たち、そこには一つの目的に向かって自我もなく、命を顧みずに生き切った人間たちがいた。
だからこそ、美しくて悲しくて絶望しかないからこそ何度も読んでしまう。
この作品は戦争を美化するものではありません。極限状態でも生きる意味を感じた時の人間を描いています。
ネタバレを含みます
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2018年12月7日
9
前線と銃後
第二次世界大戦がそれぞれの国の立場からどう判断していったのかをわかりやすく描いています。
日本がアジアの欧米諸国による植民地支配解放を主張しても、現地の支持が全く得られなかったのは理由や、戦争に突き進めば日本が自滅することを見据え、戦争に反対して行動した人のことも紹介されています。
ポツダム宣言案を米英各国から示され、戦争に負けるのは明白なのに自らの責任追及を恐れて、国民が根をあげるまで戦争を継続するべきとした御前会議のメンバーの描写には、この戦争の本質を見た気がします。
昭和天皇の言動も描かれている貴重な作品です。
安部内閣の北方領土二島返還の願望が先走りしている昨今、ちょっとした予習に最適な作品です。
2018年12月6日
69
アシュラ
人を殺すのは悪いことという当たり前のことが、
実は食べることに困らないという恵まれた状況だから言えるだけ。食べるものが一切なく他人を殺めて食べないと生きていけない状況の時、そこには生存本能のみで善悪や葛藤、愛などないように見える。
生きていくうえでの葛藤と苦しみから逃れることができない人間の性、憎みつくし、破壊尽くし、奪いつくして食べ物を得ても決して満たされることはない。人は何を求めているのか、極限の飢餓状態でも主人公が求めていたのは母の愛だった。愛するがゆえに苦しむ、愛するがゆえに傷つけてしまう。打ち切りになったのが残念です。
ネタバレを含みます
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2018年11月6日
4
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