外国の絵本のようなデフォルメの効いた人物、わざとパースを歪ませた背景が、不気味さを醸し出しながらもどこか美しい。よく言えば芸術的な絵なのですが、確かに日本の漫画的な絵のうまさを求める向きにはとっつきにくい絵かもしれません。
エログロ表現も(この作者の過去の作品に比べて)あっさり目というか、寓話的で象徴的で、ストレートな怖さではないかも。
人を選ぶとは思いますが、好きな人はすごくハマる雰囲気のある作品です。ヨーロッパの不気味でシュールな絵画や絵本が趣味な方は是非ご一読を。
ただ残酷グリム童話的な世界観を期待するとがっかりしちゃうかも。