これが伝説の看護婦作品のパイオニアなんだ。と思いながら読みました。縁が無くて今回が初めてでしたが、さすがの一言です。心理描写は深く(どちらかと言うとそこがメインかな)一巻ごとの物語も引き込まれる内容ばかりでした。ただ一つだけ医療作品にしては少し残念な部分があります。桂子の新しいマンションで遠野医師と竹沢が遭遇し、「もし知り合いなら病院にいくことを勧めてください」と言うシーンがあります。ここで何故そう思ったか、医師なら説明が要ったと思うのです。竹沢は肝臓系の病気です。だとすれば顔色が悪いくらいで病院へなんていわないでしょう。たとえば白目に黄みが見えた(黄疸)とか白いシャツの襟部分に黄色いしみが見えたとか、そういう医師らしい部分が欲しかったと思いました。他にもいくつかありますがここでは割愛します。因みに私は医師ではありませんがそれくらいの所には気は回ります。作品そのものが良かっただけにとても残念でした。でもでも、でもね、さすがの逸品なのでござる。是非ぜひ読む、よろし。