松本漫画の最大の長所ともいえる「気が狂いそうな」設定。
一見狂人の漫画に見えて、そうでもなく、私たちの深層心理にはいつもぐちゃぐちゃに存在していて、見えないようにしているもの。
まさに「思考の原液」をそのまま見せられている感じで、そこに美しいシナリオを添えることでストーリーが成立している。
漫画というより文学作品のようだと言われるように、常に私たちの思考に訴えかけてくる内容と、読み終わった時に訪れる、もやもやしたもの、ふとした瞬間にフラッシュバックする、一コマ、一コマの存在感。
内容を分かろうとする努力より、分からないままでも十分に刺激がある作品として、ありのまま、分からないということも含め価値観だと受け入れて欲しい。
夢をみたと思って、読んでみたらいい。