少年達がとにかく明るく立派に成長する過程がスピーディーに順調に描かれている。こういうのは自分のことのように途中から応援してしまう。ただ漫画なのでいつどこでトラブルや重大な問題や裏切りが出てくるのかとドキドキしながら読み進めていたが、最後の最後にヤマが来るまでなかった。それだけになおさらラストの決死行はそうするしかないな、としか思えなかった。
ナニワ金融道の金畑社長の少年期ストーリーもそうだが、戦後の焼け野原を子どもが生き抜くのは大変なこと。そう思えば、今のお年寄りを一概に老害なんて括りで片付けることはできません。半村良さんはたしかイーデス・ハンソンから発想してペンネームをつけた洒落た人と記憶していたが、こういう重苦しい自叙伝的な作品もあったんだなあ、としみじみした。