大量生産、大企業、効率化とかグルメ漫画ではとかく目の敵にされてきたトピック達の「言い分」もきちんと描かれてたりするのは大変気持ちが良いです。
「美味しんぼ」が反体制とか反権力みたいなカリーの思想で安易にその手のモノ達を悪役にしてきた事で忸怩たる気持ちでいた食品関係者は多かった事でしょうから、知名度でかの作品に並ぶ本作が別の視点を提示してくれたことは大変意義深いと言えるでしょう。作品の内容も旧作のような料理バトル中心ではなく、もっと大きな視点での料理の世界の戦いを描いています。そのため旧作のノリを期待した読者は肩透かしを感じるかも知れませんが、キャラクターの描き方も含めて、しっかり成長した味っ子を楽しめる本作品はノスタルジーを超える水準の良作グルメ漫画としてオススメ出来ます。