良い。本当に良い。▼
読み終わってから『三匹』と同じ作者と気付いたけど(鈍い→自分),この人の作品には独特の詩情がある。基本はhardでdryでcheerfulなんだけど,根っこの部分はほんの少しだけwet。そのバランスが「戦争状態のアメリカ(らしき国)の中古パワードスーツ販売店」という本作の舞台とピッタリはまった感じ。▼
話の流れは少しギクシャクしたところもある印象だけど,エピソードが連綿とつながって行くあたりの構成も面白い。個々のエピソードが独立してるのではなく,日常の中にエピソードが埋め込まれている感じ。▼
登場人物の名前がほぼ全てアメ車の名前から取られているのは作者の趣味だろうか。この辺りのちょっとした遊び心も良い。