すっっっごく面白かった!
かるたというマイナーな競技。
それに賭ける高校生の熱い青春、友情、恋。
姉がアイドルになるのが夢だと公言して憚らない主人公・ちはやが転校生・新との出会いによって漸く見つけた自分の夢、それは日本一、いや、世界一かるたが強い女性=クイーンになること。
このちはやがすごく気持ちいい性格をしてる。
一切手を抜かず練習に臨む真剣な顔、試合に挑む姿勢からかるたが大好きという純粋な情熱がこれでもかと伝わってくる。素晴らしいかるたばかです(褒め言葉です)。
この話はちはやを中心に進むのですが、脇を固めるキャラたちもとても魅力的。古典を愛してやまぬ呉服屋の娘かなちゃん、一度はかるたから去った肉まんくん、勉強だけがとりえだった机くん……
無駄に美人(笑)なちはやとイケメンでパーフェクトな太一はともかく、それら今いちパッとしない、教室の隅っこで目立たず息してるような部員たちが次第にかるたの楽しさに目覚め成長していく姿といったら!努力する事はちっともかっこ悪くないと再確認して胸が熱くなる。
時には主役を食うほどの存在感を放つ。
地味でも主役を凌ぐ一点をもつ。
競技かるたは団体戦の側面も強く、努力・勝利・友情と三拍子そろったスポ根ものとしても充実の読み応えなのですが、彼らが互いの長所を生かし合い短所を補い合い躍進していく姿は最高に痛快!面白い!
作中、様々な人物が挫折や葛藤を経験する。
天才へのコンプレックス、ライバルへの焦燥に喘ぐ。
それでも決して闘志を失わず、ひたむきに前を見据え続ける。
ちはやの対戦相手が背負ったドラマにも胸打たれる。地味で冴えない元クイーン・モメユミの開眼、かるた歴二十年のお茶目な主婦など、年齢も立場も違う人々がかるたという一点で繋がっていく。凄い。素晴らしい。
試合シーンは圧巻の迫力。一瞬一瞬が真剣勝負。
さりげなく進展する恋愛模様も初々しくドキドキするのですが、それ以上に好敵手として同志として励まし合い支え合うちはや・太一・新の関係がすごく好きです。