1.この漫画を読むことになったきっかけは? 私も戦争は大反対ですし、自ら身を投じたいとは全く思いません。きっかけは、同じ原作・執筆者による『少年の町ZF』」を読んで、「今度は、ヒロインが出て来るものを読みたい」と思ったからでした。 2.ヒロインは魅力的といえるか? とても「気が強い」だけでなく、「瞬発的に判断するのも、熟考して策を練るのも得意」というスーパーヒロインで、充分に魅力的と感じました。ヒロインはフランスの出身とあるものの、フランス人(ラテン系)って金髪碧眼の人が少ないらしく、金髪碧眼だったらイギリス・ドイツ等のゲルマン系に多いらしいのですが、ヒロインの顔立ちがゲルマンと言えないような気がします。たぶん、目の離れ方や鼻の造形がロシアを始めとするスラブ系に近いかと思いました。では、何故こういう顔立ちにしたのでしょうか?もしかすると、目力の強さを強調する為だったのかもしれません。ヒロインの少し横広がりな顔で、しかもこの目つきで何か叫ばれると、大変迫力を感じます。なお、ヒステリーカという名前について、スラブ系女性の名前の末尾は大概「a」になるようですが、フランス人でも末尾が「a」の女性名があるようですので、これでフランスという出自に矛盾がないようにしたのかもしれません。 3.内容は面白いといえるのか? 戦争に対する是非論は一旦置かせていただいて、アフリカ内戦地域に女性の外人部隊を登場させるという奇抜な設定の中で、戦員一人一人の人生模様が紹介されていくので、充分読みごたえを感じました。内戦が収束してくると、後半は世界の大都市に舞台を移します。「サハラ以外でもサハラはある」という解釈なのでしょう。もしかしますと、「後半になったら戦争シーンがなくなって、面白くない」と感じる方もいるかもしれませんが、かえって後半の方に、印象的で深みを感じさせるストーリーやセリフが出て来るような気がいたしました。 4.時代を感じさせる面も この作品が雑誌掲載されたのが1970年代で、舞台設定が1960年代です。「こんな手口は、今では使えない」と突っ込みを入れたくなるシーンも満載ですが、時代背景を踏まえながらそれなりに楽しめば良いのではないかと思います。