「愛は無償」「子供への無償の愛」と言うが、子供がいる私でも「愛」というものはよくわからない。ただ一つだけ理解できることは「恋」は誰でも簡単に落ちるが「愛」は苦労して育てなくてはならないという事。子供が生まれた時から親は自分の時間と体力と感覚と頭脳をフルに使い「世話をしないとこの子は死ぬ」と思いつつ思い通りにならない子供を泣きながら育てていく。決して最初から母性本能(男の希望的欲求)がある訳ではなく、苦労しながらひたすら育てているその合間合間に子供の笑顔で癒され、喜びが湧き愛や母性を育んでいくものだと思う。ベリアルは淑乃の魂のみならず肉体まで欲した結果子育てまでするようになってしまった。子育ては「愛」の育みでもあるのでその結果「愛」が悪魔にも芽生えたのだと思う。
アスモデウスの妻のサラは元クリスチャンであるが宗教を捨て?彼と結婚、子供をもうけた。私の友人にも敬虔なクリスチャンがいるが、彼女は「イエスは愛である」と信じている。サラの宗教的信心とアスモデウスとの愛にどうやって折り合いをつけたのか知りたい。そして純粋な魂の持ち主である淑乃がベリアル(罪悪)の仕事(この世に罪悪を与える)にどうやって心に折り合いをつけていくか、第2部を楽しみにしている。
この作者は真面目に「愛」に取り組んでいると思うので真面目にコメントしてみた。が、日本人は無宗教ではありません。日本人は自然を基本に神とする多神教。キリストさえも多くある神の一つとみなして、結婚式も神に誓う形で教会やチャペルで行う人が多いのがその証左。でも、宗教の形式やその意味は全く理解していないのが多くの日本人です……