日野氏の描くホラーは怖い反面、何を考えさせられるものがある。
例えばとある夫婦がトカゲの子を産む話は、その原因が環境破壊等が物語の中で挙げられている。
その真相は明かされなかったが、この話は何気に考えさせられる話だった。
それと、ネズミの話は怖かった。
一匹のネズミが巨大化して、家族を襲う話であるが、被害者家族も怖い。何せ巨大化したネズミを捕らえた時には拷問を施すのだから、はっきりいって動物虐待であり、物語のラストはある意味で自業自得ではないだろうか。
日野氏が描くホラーはただ怖いだけのホラーでない。実は社会問題を取り入れた話もあり、その話を読むと他人事のようにも思えない。