改めて石森章太郎作品を再読した。そして矢張り石森は「天才」だと確信を新たにする。何故ならば現在2020年代に至る迄の特にSF作品に関してはその作品の主軸、人間関係、動機、メカデザインのほぼ全てが石森作品の影響下にあると気付くからだ。いや、「原型」を石森が出し尽くしてしまったとも言える。哀しいかな、後世の作家、デザイナー、クリエイターたちは「石森の模倣」ととらえられてしまう結果となる。無論、石森にも「手本」はある。しかし石森はそれらを消化し、昇華させ、完成させてしまったのだ。石森章太郎は「遺伝子」を創造したのだ。